街乗りにはメリットの方が多いMTBもおすすめ

MTB(マウンテンバイク)というと太くてゴツゴツしたタイヤが付いていて、その名が示すように山で走る自転車のイメージを持っている方も多いかと思います。

このお客さんの場合はMTBの方が良さそうだなと思ってお勧めすると「山ん中走んないから😒」といった感じの反応をされたことが何度かありますが、実際はオールラウンドな自転車として街乗りにもお勧めな車種なのです。


 

□MTB(マウンテンバイク)とは


そもそも「マウンテンバイク」という名称は、自転車競技の選手だったゲイリー・フィッシャーが、その昔アメリカの一部の若者たちの間で行われていた山を駆け降りる競技(ダウンヒル)のために、同じく選手でフレームビルダーとしても知られていたトム・リッチーへ製作を依頼した自転車に名付けたのが始まりです。(フィッシャー氏とは私がTREKの専門店に勤めていた頃に一度だけお会いしたことがありますが、長身でいて顔が小さくてとても気さくな方でした。)


他の呼び名として「ATB(オールテレインバイク)」つまり全地形型自転車とも言われています。

この呼び名の通りあらゆる路面に対応できるのがこの自転車の最大の強みであり、それは街中などのオンロード(舗装路)でも例外ではないと個人的には思っています。


 

□MTBのネガティブなイメージ


・遅そう

(反論)MTBの種類にもよりますが、クロスバイク程度は普通に出ます。


・重そう

(反論)見た目に反して結構軽く、見た目通り頑丈です。(ネット通販などの安物は論外ですが)


特にスポーツ車 = クロスバイク or ロードバイクのイメージを強く持っている人はタイヤがゴツくて太いMTBに対してこのような感じのイメージがあるのかもしれません。


 

□MTB(太いタイヤ)のメリット


・グリップが良く安定感がある。

 ┗►砂や雨など滑りやすい路面に強い。


・悪路や段差でも影響を受けにくい走破性

 ┗►タイヤがとられにくく、乗り越えやすい。


・エアボリュームがありクッション性が良い。

 ┗►路面からの振動や衝撃を軽減し、長時間乗っていても疲れにくい。


舗装路と言えども街中には様々な障害があります。

縁石などの段差、濡れて滑りやすい路面、割れたり隆起したりしている凸凹の道など様々な路面の環境に対して太いタイヤの方が利点があり、細いタイヤのように路面を気にして走るストレスとは無縁です。

また、殆どのMTBの場合はサスペンションが搭載されていますので、段差などの出っ張りを乗り越える際にも姿勢が安定しやすく、特に手から身体に伝わる路面からの衝撃も殆どありません。


 

□タイヤが太いと遅い?


タイヤが太くなると路面との接地面積が増えますので所謂「転がり抵抗」が大きくなります。


マウンテンバイクは基本的には太いタイヤにブロックタイヤが付いていますので、ロードバイクの様な高速巡行には不向きな自転車ですが、前出の通りクロスバイク程度の速度は当たり前に出ます。(下り系やトライアル系でない一般的なモデルであれば)

また、MTBのタイヤの太さは多くのバリエーションがありますから、抵抗を少しでも低くしたいのであれば、細くしたりスリックタイヤに交換したりすることも可能です(さすがにロード並みにとはいきませんが)。


しかし、そもそもそんなこと気にするような乗り方しますか?


「速く(平均時速25~30kmくらい?)」「遠く(100km前後?)」を求めているのなら、はっきり言ってMTBでもクロスバイクでもなくロードバイクを最初から買った方が良いと思います。


普段から「くっ・・・抵抗が・・・!」なんて考えて乗っていますか?

さっきも書きましたがMTBでもクロスバイク程度は普通にスピードが出ます。

当然ママチャリなんか相手にならないほど速度が出ます。


しかも街中では信号や一時停止などでストップ&ゴーを繰り返しますので、抵抗がどうのこうのと言っている暇なんかありません。


理屈はそうであったとしても結局は何と比較するのかにもよるお話だと思いますが、街の中で走ることを前提としたような使い方の場合はデメリットと捉えるほどのものではなく、その部分を差し引いたとしても普通の乗り方をする多くの人にとって、前述のグリップの良い安定感・道を選ばない走破性・快適な乗り心地といったメリットの方がはるかに大きいと個人的には思っています。


 

□MTBはこんな人におすすめ


・短中距離(数km~30km程度)を自分のペースでじっくり走りたい

・舗装路以外にも砂利道などの未舗装路を走ることがある

・舗装路でも普段の通り道などで路面が荒れている所がある

・毎日乗るのでタフな自転車がほしい


もともとオフロードを走ることが得意な自転車ですからフレームも非常に丈夫に出来ていますので、休日のサイクリングやポタリングのみならず、毎日のように使う通勤や通学自転車としてもおすすめです。


 

□ちなみに


私自身もかれこれ15、6年ほどMTBを愛用しています。

初めて買ったのはスコットの5万円程度の入門バイクでした。

当時は今と全く違う仕事をしていてスポーツ自転車の知識など皆無でしたが、ネットや雑誌の情報を見てタイヤを細めのスリックタイヤに付け替えたりして乗り回し、翌年にはさらにハイグレードのMTBをもう1台購入していました。


今のお店をオープンする以前までは墨田区の向島という場所に長年住んでいました。

隅田川を挟んだ対岸の浅草や上野・神田界隈といった近場のみならず、皇居まで一旦出てそこからその日の気分で渋谷や新宿方面に行ってみたり、ある時は品川方面、またある時は銀座を抜けてお台場や新木場方面にと、休日にもなれば23区内のあちらこちらをひたすら走っていましたが、長時間乗っていてもあまり疲れることがないので何処までも行けるような気がしたものでした。(若さもあったかな・・・😅)


都内なら道は綺麗でしょとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、湾岸沿いなどの工業地域の道の一部は雑草がアスファルトを突き破り凸凹になっている所もあったりしたもので、どんな道を走っても困ったことはなく快適そのものでした。

また、路駐や交通量の多い幹線道路などは場合によって歩道側にエスケープすることも稀にありますが、車道と歩道を隔てる縁石にタイヤをとられる心配がなかったりと安心感の塊のような自転車です。※ハンドル幅が60cmを越える場合は歩道の走行(徐行)は出来ません。


その後もロードやシクロなど様々な自転車を所有してきましたが、今でもこの2台は特別で使用頻度が高いです。

スコットの方はフレーム以外を全交換してしまいましたが、メカメカしいMTBを弄り倒すのも1つの醍醐味と言えます。(それがきっかけで自転車屋に転職しました)


冒頭で細めのスリックタイヤに交換してと書きましたが、その後は太めのブロックタイヤに戻しています。

繰り返しとなりますがMTBで過度なスピードを求めているわけではなく、太めのタイヤに戻して乗り心地や安定感を求めることの方がやはりメリットが大きいと実感しています。

ブロックタイヤにおいてもブロックパターンの目が細かいものをチョイスするとオンロードだけではなく、林道や砂利道などの未舗装路での行動範囲が広がって楽しさ倍増です。


 

なんだか半分はただの思い出話になってしまいましたが、要するにいろんな自転車持ってるけど私の乗り方では最終的にMTBに落ち着いたということです😅


独立して岩手に戻って来てからも最近は時間を見つけて妻と一緒に走ることが増えてきました。

北上市のサイクリングロードは老朽化で凸凹になってしまった路面に割りと大きめな木の枝やゴロゴロした石が落ちていたりと気持ちよく走れる環境とはなかなか言い難い所も多いのですが、MTBの安定感は絶大でそんな環境が楽しくすらなってきて気持ちが良いです😆


新型コロナの影響で新たな自転車がお店に入ってこず、街乗りで人気のクロスバイクも当店の在庫はずいぶん前からほぼ完売状態で、どこのショップさんでも在庫は決して多くないと思います。


そんな状況ですのでMTBも選択肢に加えてみるのは如何でしょうか?




取り扱いのある主なMTBブランド

MERIDA(メリダ)

GT(ジーティー)

KHS(ケイエイチエス)

この中で特にGTは新たに入荷の予定が立っているモデルもございますので、メーカーの在庫状況などお問い合わせください。