作業のあれこれ其の七
かつての東京オリンピックで日本代表の自転車として採用されたジャパンブランド「シルク」
製造したのは製糸で有名だった片倉工業を親会社に持つ往年のメーカー「片倉自転車」でした。
私は東京の下町の老舗自転車店に勤めていた際に社長の昔話で名前を聞いた程度でしたが、私が子供の頃にはまだ存続していたメーカーなので古くからのファンには馴染みのある方も少なくないかと思います。
ちなみに現在はオーダーメイドバイクとして元社員の方によってブランドは復活しております。
なんでこんな話で始まったかというと、修理で持ち込まれたからなんですねー。
保存が良いのか非常にきれいな状態で当店へ持ち込まれたので、よだれを垂らしつつ写真を撮らせていただきました。


古いパーツってやつは今の時代にはない美しさがありますよね。
今の時代だとトラディジオーネやIRDなんかが古き良き時代のデザインを踏襲していますが、RメカやFメカもレトロデザインで作ってくれるところがあればいいですね。






コンポはSHIMANO 600ですから現在のアルテグラの前身モデルとなります。
しかも初期モデルと思われますが、段数が5Sというのがまた歴史を感じさせます。
自転車屋をやっていると稀にこういったヴィンテージな自転車をいじる機会もありますが何度見てもうっとりしちゃいますね。
そして一番唾液腺が刺激された(よだれ出っぱなしです)のはサンマルコのサドル!


ベルトーネデザイン SEサドル
アフターバーナーかよ!
火吹くのかよ!
なんて心の中でツッコミをしっかり入れてみましたが、振動軽減のためのギミックなんですね。素敵です。
前置きが長くなりましたが、修理内容はペダルを踏みこむと僅かに振動がコツコツと足に伝わってくるので気になる!というものでした。
このケースでまず思い浮かぶのは
・ペダルに問題あり
・ハンガーワンの玉押し調整が不十分
・ベアリングか軸の玉受けが欠けた
なのですが、こういった場合は1つ1つ潰していくのが定石です。
で、結果的にハンガーワンが緩んでいたことが分かったので解決なのですが、念のため中もチェックしつつ清掃しようかと。

↓何年物のグリスでしょうか・・・きちゃない・・・。

ベアリングなどは無事でしたので清掃してグリスアップの後に元に戻して玉押し調整して完了です。

試乗の結果は問題なし!
作業自体はよくあるケースなので特筆することではなかったのですが、なんせ素敵な自転車なので記事にしたくなっちゃったんですねー。
でもずっと大切に乗っていただきたいです。

もしも眠らせている自転車があったら修理やレストアお受け致します。
是非ご相談ください。(ちょっとは拭いてきてね)